にちじょう。えそら。

この度、日常とエソラが合体!創作もします。アニメ、漫画、アーティストさんの話します。ごゆっくり見ていってください!

第五話 行動班に任命!?

こ、行動班として働けだと・・・?
あまりにも突然の展開に、言葉を失った卓斗。
「い、いままで、行動班はずっと一人で?」
「いや、もう一人いたのだが、ちょっとやめてしまってね」
さっきまで冷たかった手が、日の光のおかげで温まってきた。
「もし、いやだというのなら仕方がないんだけどね」
その言葉に、くるみが反応した。
「でも、いやだといっても引き入れるって、さっき言ったじゃないですか」
「個人を尊重すべきだと判断したんだ、無理やり入れられたら君も嫌だろう?」
「でも・・わ、私からもお願いします!た、卓斗さ、ん」
「あたしからもお願い、くるみちゃん一人だと大変だもん」
「僕からも・・・」
初めてシンというやつが口を開いた。どうやら、俺はこの人たちにとってこの組織の希望の星なのかもしれない。困ってる人を見過ごすわけにはいかないな、まだこの人たちを信じたわけじゃないけど。なんか、ここで見捨てちゃいけないって記憶のない前の俺が今の俺に訴えかけてる気がする。そういえば、なんで俺は死んだんだろう。この人たちに聞きたいけど、他人なんだから知るはずもないか、そしたら家族は?両親とか兄弟とかいたのかな?まて、この人たちただの他人の蘇った黄泉人をなんでこんなにも必死で組織に入れようとするんだ?
「こんな、俺で、赤の他人の死んでたはずの生き返った黄泉人の俺で、いいんですか?」
「あ、あぁ、この組織の行動班としてはぴったりだと思うよ」
「じゃ、やります!お、俺この行動班の仕事・・やらせてください。俺の記憶が戻って、家族のところへ帰れるまで、よろしくお願いします!」
―静寂だった。というより沈黙だった。でも・・・
パチパチパチ・・・
拍手が起こった。突然のことで少し驚いた。
「ありがとう。卓斗君、今日から君は、黄泉がえりの組織の一員だ!」
なんだろう、この温かい感じは、日差しのせいじゃない。なんか違うもの、人とのぬくもりというか暖かい雰囲気が俺を包んだ。何だろうこの雰囲気初めての感じじゃない。前にもどこかで・・
「よかった。卓斗さん。入ってくれないかと思いました」
くるみが、笑顔の中に涙を見せた。
「卓斗君、これからはビシバシ指示するわよ!」
「よろしく・・・」
暖かい雰囲気に包まれながら俺は、笑った。