にちじょう。えそら。

この度、日常とエソラが合体!創作もします。アニメ、漫画、アーティストさんの話します。ごゆっくり見ていってください!

第二十七話 見失った…!?

「いた!」

 

―にゃぁお

 

「…」

なんだ猫か…

「じゃなくて!どこだ?」

また周りを見渡す。

人の気配、感じないな。まるで俺だけ取り残されたような。

俺だけ…? あれ?そういえば

「くるみがいない!?」

しまった、二人でいれば安全だと気を抜いていた。

「隊長!すみません、くるみを見失いました!!」

『なに!?』

 

俺のせいだ、俺のせいだ、俺のせいだ。

俺のせいだ、俺のせいだ、俺のせいだ。

俺のせいだ、俺のせいだ、俺のせいだ。

 

『しっかりしろ!卓斗!』

いつもとは違う声色の隊長にはっと我に返る。

『悔やんでも仕方ない、考えず動け!!』

「はいっ!!」

止まっていた足が動き出した。

『くるみちゃん!どこにいるの応答して!』

そうかマイクで呼べばよかったのか、そんなことにすら気づかなかった。

「くるみっ!!」

どこにいる?まさか黄泉人に連れてかれた?そしたら今回のは、やばいやつなんじゃ。

しかも、くるみは今日はいつもと違って不安そうだった。

体調崩してたりとかしてないよな!?

 

―にゃぁお

 

「どうしたの?君、だれか探しているの?」

猫がしゃべったのかと思ったら、違った。人がいた。もしかして…

「ずいぶん、長くねむちゃってたみたい」

『卓斗さん、彼女…黄泉人です…』

ここにいたのか!?

「あ、同僚とはぐれてしまって…」

その言葉を言っているとき、月明かりが彼女の顔を照らす。

その顔は俺の知っている顔だった。

 

「…母さん?」

 

その言葉と俺の顔が見えて、誰かわかったのか笑う彼女。

 

「…よかった、生き返れてたのね」

愛おしそうに俺の頬を撫でる。

「あぁ…もしかして黄泉がえりの組織に俺を託したのって母さん?」

うなづく母。せっかく再会できたけど、大事なことを思い出す。

「母さんも大事だけれど、俺探している人がいるんだ!悪いけど一緒についてきて!」

「えぇ、もちろんよ。どんな子?」

「ちっさくて、ツインテールの女の子!」

 

(そう、今は髪を結えるくらい長くなったのね。)

 

「そんなに遠くには行ってないと思うんだけど…応答しなくて」

「そう…卓斗は黄泉がえりで働いてるのね」

「あぁ、そうだよ」

「今日は蘇るのは私だけ?」

「いや、もう一人…そうか。シン!もう一人の黄泉人はよみがえってるか?」

『…今ちょうど蘇りました』

「場所はわからないのか?」

『商店街を抜けていますね…黄泉がえり組織の場所に近いような気がします…』

「なんだって?っじゃこっちか!」

 

とりあえず、先に黄泉人の確保だ!

そいつが悪さをしないとは限らないからな。

 

優先順位はつけられた。でも、一人で行動するのは心細い。

お前がいないとダメなんだよ。

…くるみ、一体どこにいるんだ。