にちじょう。えそら。

この度、日常とエソラが合体!創作もします。アニメ、漫画、アーティストさんの話します。ごゆっくり見ていってください!

第九話 一夜明けた日常

「…きてください、卓斗さん」
ん…誰かの声がする。来てください?どこにだ。
「起きてください、卓斗さん!」
はっ!っと声を上げながら、枕のなかに押し込んでた顔をガバっとあげた。
時間は、8と12に針を刺してる。つまり8時だ。
「ち、遅刻だ!!」
卓斗は、勢いよく布団から出て何かの準備をテキパキと手を休めず、流れるようにやった。
その勢いがこの言葉でピタッと止まった。
「何してるんですか…?卓斗さん」
その声の主はくるみで、冷めた目でこちらを見ていた。
「い、いやいや。これはだな、あの…その…」
だんだん顔が赤くなってきて熱いっ!それに比べくるみの顔は氷のように冷たい。
「た、体操だよ!体操、朝の体操さ…ハハハハ…」
「どう見たって、学校の用意してましたよ。遅刻とかいってたし…」
「それは、よくある条件反射ってやつ?時計見て8時で、ぎゃー遅刻だーみたいな」
「アニメの見すぎですね」
「俺は、黄泉人だぜ。アニメなんて見てねぇよ最近は、黄泉人になる前に見たのは、機動船隊ハヤブサかな?」
「…古い」
「あ!お前、古いって言ったな。お前に方がよく知ってんじゃねぇかよっ!」
ツインテールを揺らしながら、恥ずかしそうに後ろを向いたくるみ。
「…コホン、茶番はここまでです。さあ、朝食ですよ。食堂で待ってます…」
「あ、おう…」
俺、嫌われちまったかな…。

食堂は、まぁまぁな広さだった。ん、待てよ。食堂っていうからにはシェフがいんのか?
こんなたった5人くらいのために??
「今日の食事当番は…」
隊長がつぶやく。やっぱ、シェフなんていないか…。
ベジタリアンでおなじみの、黄泉がえり指示班の梓でっす!!」
べジタリアンでおなじみじゃねぇよ!しらねぇよ俺は。
「おお、梓か。期待してるよ^^」
隊長が期待するほどだからおいしいのだろうか。てか、顔文字みたいのやめろ。
「おいしいのか?あの人の料理」
そっと、となりのくるみに聞いた。くるみはこちらの目を見ず淡々と答えた。
「慣れれば…」
やっぱ、俺嫌われちまってる…!!
シンは、相変わらず無言で、出来上がるのを待っている。…食事当番って交代やるのだよな??
シンが作る料理、全然想像できねぇ…。
ドンッ!
器が割れんばかりの音を立てた、目の前にはとても食用とは思えない色をしたスープが置かれていた。
「ゔっ…」
「新人くんにはサービスでーす」
周りよりスープの量が多かった。こんなサービス結構です!!
「これ食べられまs…」
「あ?なんか言ったか…コホンなにか言いましたか?し・ん・じ・ん・く・ん」
「あ、すいません。なんでもないっす…」
よそい終わった、梓が席に着いたところで、隊長が。
「さぁ、ではおいしそうなごちそうに…?」
どこがおいしそうなんだ。
「い!」
と隊長が言うと…
「ただきます!」
と三人(梓、くるみ、シン)がいった。
俺は置いてきぼりだった。だってさ、い!って言ったあとにただきますだぜ??おかしいだろう!!
なんだよ。ただきますって!!
「卓斗さん、せっかくつくってくれたのに食べないと失礼ですよ」
でもさ、ちゃんとみようよ。この色、食えるかっての!!
「もしや新人君、ビビってんなぁ~。色だけに惑わされないよーに」
「そうだぞ、卓斗!食べないと力はいんないよ!」
「…おいしいのに」
最後にしゃべったのは、初めてしゃべったシンだ。だいたい、字が小さいからわかりやすいぞ!ってそんなことより!そういや、お前らなんでこんな得体のしれないもん、飲めるんだよ!!
でも、色だけに惑わされるなって言ってたし…
もう、仕方ない!腹減ったし飲むしかない!!あとは水飲めば何とかなる。ご飯食えば相殺されるかも知んない!!よッしゃ、飲んでやるぜ!俺!
ズズーッ。
・・・・・・・!?
「…うめぇ」
「お、新人君飲んだか!?どう?おいしいでしょ?」
「はい、とてもうまいっす!」
感動した。こんなにうまかったなんて。恐るべし梓先輩!!
「じゃ、明日は新人君が食事当番だからっ」
カレンダーに指差す梓。そこには明日に日付に俺の名前がっ!
「えぇっ!まじっすか!」
「まじとも、まじとも」
「さて、卓斗君の腕前が気になるなぁ~」
「おいしくなかったら困りますけど…」
「クスッ」
今日初めて、くるみの笑顔を見てほっとした。でも、あしたの食事当番のことを考えると俺は今夜眠れそうにない…。