「そこから私とくるみちゃんの行動班コンビが誕生したの!」
「それがどうなって男が現れるんです?」
「ここまでは暗かったくるみちゃんのお話。そして、ここからは例の男の話ね!」
くるみと梓のコンビが定着して来たころ、梓が足を怪我してしまい、歩くことすらできなくなってしまった。
「ごめんね、くるみちゃん…満月までに治すことできなかった…」
「大丈夫です!梓さん休んでください。私が1人でやりますから」
心配で仕方なかった。あの子が、1人でなんて。しかも、夜に。私は指示班に回ったが、行動班を誰かもう1人つけろと隊長に頼んだ。シンは指示専門だから、しかたない。じゃ、隊長にお願いしなくてはと思った。そして、隊長に掛け合う。
「もちろんだ!」
安心した。隊長がついてくれれば、大丈夫だ。
ーそして、夜。
『2人ともその近くにいるはずよ!』
めを凝らす、ふたり。
そして、人影を見つけた!
「すみません、何をなさってるんですかね?」
隊長が声をかける。
怪しい人影は振り向く。
「別に…ただ、仕事探してるだけ…死んだはずなのに生き返っててびっくりしたよ。でも、お金も何もないから、働かなきゃって思って」
今回はすんなり解決できそうかなと感じた。
「泊まるところというか、お家はありますか?もしなければ、私達の施設の部屋をお貸ししますが」
「ありがたいです…ではお言葉に甘えようかな」
その男を見極めるためには都合がいいと思った、隊長は施設の部屋を貸し出した。
「本当にこんな素晴らしいお部屋借りていいんですか?お金取ります?」
「心配しないでいいよ」
「いや、申し訳ないですよ、あ、そうだ!ここでタダ働きでいいんで働かせてくれませんか!きっと役に立ちますから!」
押しが強いと思った。梓の足が治るまで行動班が足りない。この際引き受けてもいいかと思った。しかし、くるみが隊長の袖をひっぱって、頭を横にふる。
「…嫌です」
くるみが拒んだ。どうしたんだろう。
「苦手か?」
「それも一理あるかもしれませんが、それだけではないです」
くるみが嫌がるなら、断るか…
「働かせてください!!」
こっちもこっちで強い。どうするべきか。
「では、こうしよう。梓の足が治るまで、それまで働いてもらう。そのあとは役所に掛け合ってみるからあとは自分で仕事探して、1人で暮らしなさい」
「ありがとうございます!!」
くるみが顔をしかめた。
「ごめんな、くるみ。それとも指示班に来るか?」
「大丈夫です、教える係がいないと…」
仕方ないという感じでなんとか納得してくれた。それから、くるみと男のコンビが始まった。